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第十話 「第四次産業革命」とはなんでしょう?

2019年04月02日

「第四次産業革命」という言葉自体は、ドイツが2012年から打ち出している技術戦略「インダストリー4.0」を日本語化したものです。

 

「蒸気」という新しい動力が出現した第一次産業革命は、18世紀から19世紀に渡って英国を中心としたヨーロッパとアメリカで起こりました。「鉄」と「繊維工業」がその中心でした。農村、地方から都市部への人口移動が起こりました。

 

続く第二次産業革命では「電気」と「石油」による大量生産が実現しました。1870年から第一次世界大戦直前の1914年までの間に起ったとされます。電話機、電球、蓄音機、内燃機関等の技術的革新が起こりました。

 

第三次産業革命では「コンピュータ」が登場し自動化が進みました。1980年代から始まり、現在も継続中とされています。パーソナルコンピュータ、インターネット、情報通信技術(ICT)が中心となり、デジタル革命とも呼ばれます。アナログ回路及び機械デバイスから今日用いているデジタル技術への技術的進歩を指します。

 

そして、第四次産業革命はデジタル革命の延長として登場し、さまざまなモノがインターネットにつながり、それを「AI」が制御するようになると言われています。革命は既に始まっています。既に金融取引ではAIが主流となって取引を行っています。アメリカでは、家に帰るとAI「アレクサ」が出迎え家族のように話しかけ、家電を操作してくれます。

モノのインターネット(IoT)、AI(人工知能)、ブロックチェーン(分散台帳)、量子コンピュータ、ロボット工学(ドローン技術を含む)、ナノテクノロジー、生物工学、3Dプリンター、自動運転車などの多岐に渡る分野においての新興の技術革新が相互に影響し合う技術進歩を特徴としています。

第三次産業革命以前までは人間が機械を調整していたのに対し、第四次産業革命では人間の代わりにAIが機械を自動制御します。ここが大きく違います。

 

では、どのような社会となるのでしょうか?

経産省の試算によると、人工知能関連の国内市場規模は2030年までに86兆円以上になると予測されているものの、経営や商品企画の分野で136万人、製造・調達分野で262万人、管理部門で145万人が仕事を失うという予測が出ています。

 

世界経済フォーラムの設立者、経営執行役会長であるKlaus Schwab氏は「その変化はとても重大なものである。どのくらい重大かというと、人類史の観点からは、かつてこれより大きな希望、もしくは脅威の可能性はなかったほどだ。」と発言しています。

しかし、欧米と違って、日本では、積極的に変化の肯定的な側面を捉えています。実はすでに第5次産業革命という言葉が登場しています。現在第4次産業革命の真っ只中にも関わらずにです。

第5次産業革命の明確な定義はされていませんが、産業構造審議会の報告書では、人口問題・食糧問題・資源エネルギー問題・高齢化社会といった現代社会が直面する課題への解決策になりうるとして、第5次産業革命というべき変革を生み出す可能性があるとしています。また、経済産業省の資料によるとビッグデータやAIによる、第4次産業革命と最新バイオテクノロジーの融合による、スマートセルインダストリー(生物による物質生産)としており、医療・工業・農業・エネルギー産業など、様々な分野で活用できると期待されています。

 

現在、日本の第4次産業革命は欧米諸国から大きく後れを取っており、今後は急激に変化してくことが予想されています。

 

空の産業革命ともいわれるドローン技術も第四次産業革命の技術革新の中に含まれますが、他の技術と相互作用しながら大きく発展していくものと思われます。